ふくしまは負けない/明日へ 未来デザイン週間開幕 「きぼうのとり」朗読 大熊の熊町、大野小と大熊中

 児童生徒に絵本「きぼうのとり」の読み聞かせをする(右手前から)よしもとさん、江藤さん

児童生徒に絵本「きぼうのとり」の読み聞かせをする(右手前から)よしもとさん、江藤さん

大熊町の熊町、大野両小と大熊中による「未来デザインウィーク」は二十七日、各校の入る会津若松市の旧河東三小で開幕した。初日はオープニングセレモニーが行われ、福島民報社が企画制作した絵本「きぼうのとり」を手掛けた「みず文庫」のイラストレーター・コーディネーターのよしもとみかさんと編集・ライターの江藤純さんが絵本を読み聞かせた。

同ウィークは町で取り組む子どもの創造性を育む「STEAM(スティーム)化教育」の一環。今年度初めて実施し、十月一日まで音楽家や芸術家を招いてワークショップなどを開催する。
セレモニーでは児童生徒九人がくす玉を割って開催を祝い、よしもとさん、江藤さんが情感たっぷりに絵本を読み上げた。熊町小六年の馬場結梨花さん(11)は「当時の様子が伝わってドキドキした。仲間を大切にすることが大事なんだと思った」と感想を話した。
よしもとさんは「震災を体験していない世代も震災の重さは必ず感じると思うのでバネにして生きてほしい」と語り、江藤さんは「被災された方はそれぞれ物語がある。絵本が震災を知らない世代の入り口になればと思う」と願った。
一九四五(昭和二十)年に広島県で原子爆弾によって被爆したピアノを使ったコンサートなども行われ、詩人谷川俊太郎さんの息子で来年度開校する同町の義務教育学校「学び舎(や)ゆめの森」の校歌を作曲する谷川賢作さんが演奏した。
「きぼうのとりプロジェクト」は福島民報社、あさかホスピタル、ネッツトヨタ郡山などの賛同社が取り組む震災と原発事故の記憶を伝承する取り組み。