「きぼうのとり」読み聞かせ 絵本で震災教訓学ぶ 平五小4年生「備える大切さ知った」

江藤さんとよしもとさんの読み聞かせを真剣に聞く児童

江藤さんとよしもとさんの読み聞かせを真剣に聞く児童

感想を発表する児童

感想を発表する児童

 いわき市の平五小で1月26日に行われた絵本「きぼうのとり」の読み聞かせでは、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が起きた年に生まれた4年生の児童から「震災と原発事故をきちんと知ってよかった」「家族と話してみたい」などの声が寄せられた。朗読に携わった関係者は「いつ大災害が起きるか分からない。当時の記憶や教訓を学ぶ入り口になれば」と願っている。
 絵本は震災を後世に伝えようと福島民報社が企画制作した。同社はあさかホスピタル、ネッツトヨタ郡山などの賛同社と「きぼうのとりプロジェクト」を展開し、朗読で絵本を広め原発事故の記憶を伝承している。
 絵本を手掛けた「みず文庫」の編集・ライターの江藤純さんとイラストレーター・コーディネーターのよしもとみかさんが朗読を担当した。
 児童は真剣なまなざしで聞いていた。関隼人さん(10)は「夢のようだが現実にあったと知りびっくりした」と話す。加藤夏海さん(10)は「災害に備える大切さを知った。自分が大人になったら子どもに伝えたい」とした。鈴木杏奈さん(10)は「災害が起きたら絵本を思い出して行動する」と述べた。
 大石正文校長(56)は「震災を経験していない子どもにどう伝承するかが課題だ。絵本は事実だけでなく、当時の心情を知ることができる」と話した。
 同社は絵本の読み聞かせを受け付けている。問い合わせは福島民報社広告局営業部 電話024(531)4153へ。