ふくしまSDGs博 郡山産食材で菓子開発 あさか開成高生 地元連携、食品ロス削減 SDGs博で販売 「きぼうのとり」モチーフ
郡山市のあさか開成高日本文化部は、和と洋を掛け合わせた「ハイブリッド和菓子」として郡山産食材を使ったクッキーとまんじゅうを開発した。市内の「安積野菓子処 平田屋」、障害者就労支援B型事業所を運営するNPO法人「しんせい」と連携した取り組みで、9月4、25の両日に市内で開かれる「ふくしまSDGs博」で販売する。
菓子のモチーフは、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向かう子どもたちの成長を描いた絵本「きぼうのとり」(福島民報社企画製作)。部員が古里への思いを込めながら、菓子のレシピやデザインを考え、試作を重ねてきた。2021年7月には福島民報社の「ふくしま復興大使」として、京都市の老舗和菓子店で菓子作りを学んだ。
クッキーは、しんせいと農福連携事業に取り組む農家の米粉を使った。きぼうのとりの形をしたニンジン味と、丸型のヨモギ味がある。ニンジンは、しんせいの事業所で作っている郡山産ニンジンジュースの搾りかすを粉にして活用し、食品ロス削減につなげた。クッキーの製造や袋詰めなどは事業所の利用者が担っている。
まんじゅうは平田屋との共同開発。皮が白い薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)で、きぼうのとりの焼き印がある。皮の一部は本県をイメージした緑に色付けし、金箔を乗せ、輝く未来に向かって飛ぶ鳥を表した。中には白あんがベースの2色のあんが半分ずつ入っている。ニンジンの粉と、しんせいの事業所の農園で作ったブルーベリーのジャムがそれぞれ練り込んである。
ふくしまSDGs博では、日本文化部の生徒が販売ブースに立つ。クッキーは各日50袋、まんじゅうは各日25個限定で、価格はともに500円(税込み)。大和田麗部長(3年)は「高校生らしいインパクトのある菓子になった。福島の未来は希望にあふれていると伝えたい」と話した。